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理学療法士の給料が安い3つの理由と上げる方法

「先生たちはお給料いっぱいもらってるんでしょー?」
「いやいや、全然もらってないですよ」
「またまた~、そんなこと言っちゃってー」

患者さんや利用者と一回はしたことがあるであろうこのやり取り

一般の認知では医療系に分類され高給だと思われがちな理学療法士ですが、実際まったくそんなことはないのはあなたが一番ご存じですよね

では、なぜ給料が安いのか、世間やほかの医療系と比べてどれくらい給料が安いのか、あなたは答えられますか?

「なんで?」を知らないから将来への不安を過剰に抱き、将来へ向けたアクションができない、間違った方向に行ってしまう、なんてことが起こります。

「あついな~、あついな~」と言ってても涼しくならないのと一緒で、「安いな~、安いな~」と言っていても何も変わりません。

この記事では理学療法士がなぜ給料が安いのかを解説し、年収アップさせる方法をお伝えしていきます。

結論から言うと理学療法士の給料が安い理由は、

  • 供給過多
  • 保険制度の都合
  • 時間拘束されるためコスパが悪い

経営サイドから見ても理学療法士の給料を上げることは難しいようです。

その中で給料を上げる方法は、転職すること
副業やほかの方法はハードルが高い為、まずは転職から始めてみましょう

それぞれを詳しく解説していきます。

目次

理学療法士の給料が安い理由

1.供給過多

学生時代から聞いたことはあるかもしれませんが、理学療法の業界は供給過多、「多すぎ」の状態です。
理学療法士は、医師や薬剤師とは異なり、比較的簡単に慣れてしまう部類のコメディカルに分類されます。そのため、医療財源に対して飽和状態となっているため、少ない財源を多くの療法士で分け合っている状態になっています。

仕事終わりのPT

「人口は老人の割合が増えてるし、自分の勤務している病院では理学療法士が足りなくていつもカツカツだよ?」

飽和状態と聞いてそう思う方も少なくないでしょう。
ここで勘違いしないでほしいのは、「老人の増加による需要の増加」「財源の増加」は別問題であるということ。

老人が増えるため必要な理学療法士の数は増える一方ですが、年金問題から見て取れるように、財源が増えるわけではありません。つまり、少ない財源をどんどん増えていく理学療法士で分け合ってる状態になっているため、他職種と比較して給料が安くなります。

2.保険制度の都合上、給料が上げにくい

理学療法士の昇給率の低さはあなたもご存じのとおり。
初任給こそ20万円~、と他の一般企業と比較して高いものの、昇給は3000円もいけば良いもの。

大学や高校の同級生と新卒当初はどっこいどっこいだった給料が、社会人4年目には仲良しだったあいつとこんなに年収に差がつくなんて、、、

実際私もそうでしたし、皆さんも同じだと思います。若手のあなたはいずれ同じような経験をするでしょう。

この理由は単純で、「経験年数にかかわらず客単価が変動しにくいから」なんです。

この記事を読んでいるあなたはすでにご存知だと思いますが、リハビリの1日の単位数には上限があります。

  • 1週間の上限  108単位
  • 1日の上限  24単位
  • 1日の標準単位 18単位

この上限数は経験年数に関係なく一律です。

つまり、臨床1年目の新人も、10年目主任級の理学療法士でも、病院にもたらす利益には差がない、、、!

だから、病院側(経営サイド)からすると給料に差をつけることは難しいです。

若手の給料が良いところは昇給が低い・長期間勤務すると給料は上がっていくが初任給は低い
決まった量のものをどちらに配分するか決めるくらいしかできません。

その中で、多くの病院が「ベテランを優遇したい、でも若いスタッフも確保しないといけない」という葛藤の中で生み出されたのは、

初任給は高いけど、昇給少ない

これに関しては制度の問題があるので、診療報酬の仕組みが変わらないと、一生解決することはなさそうです。

3. 理学療法士はコスパが悪い

理学療法士であればだれもが知っていると思いますが、あなたの行う医療行為には点数が付きます。

理学療法(リハビリ)の場合には、1単位20分で「運動器」や「脳血管」のように疾患ごとに点数が振り分けられています。

理学療法士として働いていると何とも思わないこの制度、実は大きな問題が。

実は医療従事者と呼ばれる職業で、単位数行為ではなくではなく時間で計算されるのはリハビリ職だけなんです。

当たり前すぎて気がついていない人が多いのですが、処置がないリハビリ職は、時間で点数を計算されます。

例えば、医者であれば手術1つとっても切ったら何点、縫合したら何点など、1処置に対して点数が加算されていきます。外来診療でも、診療したら何点、処方を出したら何点などなど。

これは医師の技術が高いほど処置速度は早まるため、取れる加算が増えていきます。
つまり、医師は技術によって時間単価を変動させることができるのです。
若手とベテランでは、同じ1時間でも稼げる点数が違う。

一方、リハビリ職はどうでしょう?
リハビリ職は1単位20分で点数が算定されるので、理学療法士がどれだけスキルを身に付けても時間単価は変わりません。
どれだけ上手に関節可動域訓練をしても、どれだけ上手にハンドリングをしても、必ず「1単位20分」一定時間拘束されるため、捌く人数を増やしたり加算をとったりすることができません。

医師が1時間で手術して、診察して、点数を稼いでいる間、我々は3単位分しか稼げません。

リハビリ職のコスパの悪さ。

給料が安い理由まとめ

ここまでの話をまとめると、理学療法士の給料が安いのは

  • 理学療法士自体の人数多く「供給過多」になっている
  • 経験年数が上がってもとれる算定上限は変わらない
  • 算定が時間依存のため、コスパが悪い

上記の3つが大きな原因になっていると考えられます。

理学療法士の給料は妥当か

給料が安い理由は前述した通りになります。

これを知ったところで、「自分じゃどうしようもないやん」という結論になってしまいます。

しかし、あきらめるにはまだ早い。

我々が稼いで病院にもたらしている利益に対して、給料の割合が著しく低い可能性は、、、?
言い方を変えると、病院から「搾取」されている可能性はないのだろうか。

ない袖を振れないのは仕方ありませんが、袖はあるけど振っていないだけなんてことは、、、?

ひねくれた考えを持った私は、今の手取りは果たして妥当な額なのか。
それを検討してみることにしました。

人件費率から見る給料の妥当性

人件費率とは=「給与費/医業収益」 で算出される数値のことで投資に対して収益を確保できているか、病院の収益性を測る指標として使われます。

なんか難しい言葉ばかり言わないで!、なんて方には、
簡単に言うと、売り上げた金額をどれだけ職員に還元しているかの指標、です。

この%が高いほど、病院は職員に給料をしっかり払っていることになります。

リハ職の売り上げ=18単位×20日=460,800円

手取り20万円 
人件費は給与以外にも保険等の諸経費が手取りの1.5倍かかる
 つまり、手取り20万円に方にかかる人件費=30万円

人件費率に換算すると、65.1%

病院経営における人件費は一般病院で基準値が、56.9%が妥当とされています。これより高いと、余計な人件費がないか精査する必要が高まると。
  詳しくは➡病院経営事例集

外来クリニックなどで1日24単位、脳血管疾患をメインで扱う回復期病院など、算定の高くなるモデルケースで仮定しても、この金額は妥当と言わざるを得ません。

また、病院におけるリハビリテーションは理学療法士のみでは成り立ちません。

  • リハビリオーダーを処方してくれるお医者さんがいて
  • リハ以外の時間に患者の面倒を見てくれる看護師さんがいて
  • レセプトなどをしてくれる事務の方がいて

このように理学療法士がリハビリを行うにはいろんな人がかかわる必要があります。
そういった方にも人件費がかかっていると考えていると、我々がリハビリで稼いでいる収益に対して、「もらっている給料が安い」とは言えないですよね。

いずれにしても、病院側としては現時点で目いっぱい還元している状態なので、給料を上げる余裕はない、ということになります。

私は、とんでもなくひねくれた人間なので、入社半年後の時に「なんでこんなに売り上げを出しているのに、こんなに給料が少ないんだ!」と事務長や院長に直談判しに行きました。 (今考えると、とんでもないやつですね、、、)
その時にこの話を事務長は優しくしてくれました。そのあとリハ科の主任からは、、お察しのとおりです

そんな話はさておき、まとめると理学療法士は、

  • 売り上げに対して人件費は高いほう
  • 他職種の助けが必要

そのため、

理学療法士の給料は妥当(安くない、何ならもらえてるほう)

ということになります。

給料を上げる方法は?

ここまで読んで、
「払える元手がないのにどうやって給料を上げるの?」
という話になりますよね。

答えはシンプルで、

病院を辞めただけ

病院を辞めて、給料の高い訪問看護ステーション(非常勤)に転職しました。

要するに払える元手があるところ、に転職するしかないんですよね。

転職をするという選択肢は、転職先が私のような訪問看護ステーションに限らず、給料を上げるにはプラスに働きます。

理学療法士は昇給は低いですが、初任給は比的高い傾向にあります。

それは転職をする際もしかりで、同じ病院にずっと勤務しているよりも、転職をして新しい場所で給料を設定しなおしてもらうほうが、年収アップするには手っ取り早いです。

転職をしただけ、ですが

その転職をきっかけで給料は5~10万円くらい上がりました。

転職をして年収が100万円以上あがった

転職前の給料は手取りで20万弱

転職後の給料は手取りで30万弱

月単位で見てもこれだけ差が付きますが、年収に換算すると120万円の昇給

これが、2年、3年と続くと同じ病院でずっと働いている時よりも生涯年収の差はどんどん開いていきます。

入職2年目で思い切って行動してよかったと今では心から思っています。

医療業界は転職のリスクが低い

とはいえ、転職は精神的なハードルが高いのが事実

一度転職してしまえば、2回目、3回目も大したことないですが、
初めての転職のハードルが高いのは事実。

特にこの記事を読んでいるあなたが、新卒2-3年目であればなおさらでしょう。

家族を養わなければいけない、なんてことは若手の理学療法士には少ないですが、
環境を変えること自体に不安やストレスを感じる人も多いはず

ただ、これだけは知っておいて欲しい

医療業界の転職活動ほど、ぬるゲーはないと。

一般企業への転職も考えて転職活動を経験した私からすると医療業界の転職ほどハードルの低いものはないです。

その理由は別記事で詳しく解説しています。

簡単に言うと、仮に転職先選びを失敗したとしても、業界全体で人手が足りていないので、出戻りも比較的しやすいですし、場所や給料の条件を選ばなければどこへでも就職できます。

実際、私は4回ほど転職を経験していますが、どちらも即採用でした。

周りの友人に聞けばわかりますが、こんなことは一般企業ではまずありえません。

初めての転職は不安

とはいえ!ここまで説明しても不安なのは変わらない方へ

不安なのは知らないから。

周囲に聞く人がいなかったり、動くことを批判されたりしていると不安になります。

転職において最も大事なことは情報を集めること。

不安の大きい初めての転職にも、ちゃんと相談すべきところ、サポートしてくれるところがそろっています。

理学療法士の転職サポート

転職に失敗しないために事前の情報収集はとても大切です。初めての転職ならなおさら。

しかし、現状は自分で検索して集めることができる情報は驚くほど少ない

表に出ている情報は耳障りのいいものばかりです。それは当たり前の話で、病院や施設が求人するにあたって、ネガティブな要素を開示するメリットはないですからね。

ネット上を回遊して似たような情報にアクセスし続けることを避けるために、情報収集を行うにあたっては「どこで情報を集めるか」という問題を解決しておく必要があります。

失敗しない転職方法に関してはこちらの記事をご参照ください

希望の領域や転職先の情報を友人や知人が知っている場合にはネガティブな側面(いわゆる裏の顔)を聞くことを私はオススメしていますが、そんな都合のいいケースは少ない。

数ある転職方法の中で特にオススメなのが、転職エージェントから情報を集めるという方法です。

転職エージェントをオススメする理由

転職エージェントは、病院や施設と求職者をマッチングさせてくれる転職サポートのプロのことです。利用することで

  • 時間コスト
  • お金の問題

これらを一気に解消することができます。転職エージェントの実際のサポート内容は以下の通り

病院・施設⇒条件にあう人材の紹介

求職者側
・希望する求人の紹介
・給与交渉
・面接や退職時のサポート

病院側としては人材確保をしたい反面、自院に合わない人材の面接には時間をかけたくないというのが本音。好条件を提示したことによって自院に合わない人材や質の悪い人材から応募が殺到することをふせぐために求人を非公開にしています。

非公開求人として転職エージェントに応募をかけてもらうことで、ふるいにかける(1次選考をする)ことを委託している状態になります。病院の時間コストを代替することで転職エージェント側は対価をもらっている側面もあるのです。

そのため、転職エージェントは希望先の情報(ニーズ)を知っているため給与交渉がしやすく、ゆえに好条件の求人を提示しやすいというわけです。

若手でもエージェントを通すことで月収30万円を超えを提示してもらえることも増えており、私が転職エージェントを利用した際も埼玉県内で月32万を提示してもらえることもありました。

求人サイトでは24万~など最低条件のみが記載されており、「3年目の自分は?」となると実際に行ってみて交渉するしかないですよね。

実際にもらう給与面のみならず、それぞれ病院・施設を訪問して条件交渉をする時間コストを考慮しても、利用するメリットは大きいです。

転職は給料を伸ばす数少ないチャンス

私のような例外を除いて、だいたいのPTが20代で転職する回数は1回か多くても2回程度です。

転職は大きく給料を伸ばすことのできる数少ないチャンスである一方、精神的なストレスを伴います。あなたは転職エージェントのようなサービスをフル活用することで、少しでもストレスを減らし成功の可能性を上げていってください。

一例としてですが、私はマイナビコメディカルの転職エージェントを利用しました。

エージェントサービスは、担当のアドバイザーの質に依存する部分がデメリットとしてありますが、「大手にしておけば間違いないっしょ」のノリで登録しました。
実際、その選択に間違いはなくとんでもなく細かくてレアケースな条件を提示する私にも親切・丁寧に紹介をしてくれました。(ホンマに神)

「たくさんありすぎてどこに登録すればいいかわからない」という人には、私と同じくマイナビコメディカルに登録することをオススメします。

登録したい方はこちらにリンクを張っておきますのでどうぞ!

マイナビコメディカル公式HPhttps://co-medical.mynavi.jp

まとめ

理学療法士の給料が安い理由と上げる方法に関して説明してきました。

給料だけがすべての業界ではありませんが、賃金は必ず働くモチベーションに関わってくると思っています。

皆さんが給与面や将来の不安で理学療法士を嫌いになったり、「PTなんてならなければよかった」と後悔する前に試せる行動はすべてアクションを起こしていただければと思います

サイトを除く、エージェントに登録する。今からできることでもよいので小さなことから始めてみてください。その一歩は確実にあなたの未来を変えてくれるはずです。

この記事があなたのお役に立てることを願っています!

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この記事を書いた人

臨床4年目理学療法士。大学院進学のため非常勤で職場探し。週7勤務で4つの職場を経験。豊富な転職経験をもとに若手PTの転職を支援する情報を発信していきます。
現在の働き方に不満がある、理学療法士になったことを後悔しないために一緒に行動していきましょう。

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