こんにちは、ハヤトです
理学療法士をインターネットで検索すると「理学療法士 やめとけ」「理学療法士 やめたい」などのネガティブキーワードが良く見受けられます。
現役で働いているPTや養成校に通っている方は、実感するないし「なんでこの職業を選んじゃったのかな」と絶望する人もいるかもしれません。実際に私も大学4年生で就活しているときに感じました。
- 年収は低いの?いくらくらい稼げる?
- 理学療法士に将来性はあるの?
- 「やめとけ」って言われるのはなぜ?
このような世間に出回っている理学療法士へのネガティブイメージに対して、
なぜこのように言われているかの「現実」をあなたに知ってもらい、オワコンではない理由とPTの特権を解説していきたいと思います。
この記事は、将来に対するぼんやりとした不安を明確にし、あなたが具体的な行動を起こせることを目的としています。
それでは本題に入りましょう
理学療法士がオワコンといわれる3つの理由
理学療法士は医療系の国家資格ですが、世間で騒がれているようなネガティブな側面があることは事実です。主に将来性や待遇面(給与)がその要因。
- 理学療法士が増えすぎて飽和状態になることが予想される
- 給料が安い、昇給額も少ない
- 経験やスキルが待遇に反映されにくい
この3つがオワコンといわれる要因として大きいです。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。それぞれを具体的に解説していきます。
1.理学療法士が増えすぎて飽和状態になる
2019年に公表された厚生労働省の資料によると、理学療法士は供給数が需要数を上回っており、PTの数は「飽和状態」になっています。
その背景には平成11年にリハビリ職養成施設の規制緩和が行われたことで、理学療法士養成校が乱立し、理学療法士と目指す学生が爆誕したことにあります。

理学療法士養成校が急増した結果、

学生数も急増しています。これは世界最高峰といわれるエベレストもびっくりの急勾配。誰でもPTになれる環境ができた結果、今では毎年1万人前後の理学療法士が誕生しています。
過供給となることで、
- 就職の難易度が高まる
- 待遇が雑になり給料が下がる
このようなことが懸念されています。
2.給料が安い、昇給額も少ない
職場にもよりますが世間一般と比較して理学療法士は給料が少なく、昇給額も少ない傾向にあります。次の表は厚生労働省の資料を参考に理学療法士の年齢別平均年収を並べたものです。

対して、民間企業に勤める一般職の平均年収は以下の通り

若い時には大差ないものの、特に男性理学療法士は一般職と比較して将来的な年収が低くなっていることがわかります。
理学療法士の給料が安くて昇給も少ない理由はこちらの記事をご参照ください

後述する内容に関連してきますが、「診療報酬」に基づいて、理学療法士が稼げる金額が決まってくるため昇給が少なく、生涯賃金は一般職と比較して安くなってしまいます。
年を重ねるごとに結婚や育児、親の介護などのライフイベントが発生するたびに必要なお金は増えていきます。「今の給料で一人暮らしをするのが精いっぱい」と感じている若手の理学療法士は特にお金の面で将来性を心配することが多いのではないでしょうか。同じ不安を持っている人は私の周りにも多く、あなただけの悩みではないことがうかがえます。
3.経験やスキルが待遇に反映されにくい
理学療法士ほど経験値や努力、習得したスキルが給料に反映されない職業はありません。なぜなら、理学療法士がリハビリを通して病院や施設にもたらす収益は「診療報酬」によって決まっており、その診療報酬は1単位20分何点と一律に規定されているからです。
つまり、1単位20分に対して発生する利益はだれが行っても変わらないのが現状です。
これが意味することは、
- 10年の臨床経験があっても
- 休日に学会や研修会に参加しても
- 認定理学療法士として専門性を磨いても
- どれだけ患者を良くしても
- 著名なセラピスト(先生)になっても
1人の理学療法士として算定することのできる利益は、新人1年目の理学療法士と変わりません。
診療報酬の算定上仕方のないことなのですが、これではモチベーションが上がりません。もちろん金銭的なモチベーションのみで医療に従事するべきではないことは百も承知ですが、もらえる報酬は確実に治療行為や学習意欲のモチベーションに影響をもたらします。
- 頑張ってスキルアップする。少しでも良い治療を心掛ける
- 患者はよくなる。
- でも、もらえる給料は変わらない
- 手を抜いて仕事をしている同期のあいつと給料は同じ
- なんのために頑張っているんだろう
- そんなに頑張らなくてもいいや
この定期的に訪れるネガティブ思考ループはだれもが経験したことがあると思います。
ここまでだけを読むと
やっぱりオワコンやんけ
世間一般からそのような認知はないものの、業界内ではネガティブイメージが横行する理由がよくわかります。
年収だけではわからない理学療法士の特権
前章では理学療法士がオワコンといわれる理由を解説してきました。確かに理学療法士は将来性や待遇面でネガティブな要素がみられますが、全てがネガティブなことだらけではありません。
ですが、理学療法士には一般職や他の医療従事者と比較して明確なメリットがあります
- 転職し放題
- 出戻り自由
この二つは理学療法士の特権ともいえるものです。順番に見てきましょう
転職に強くて簡単に職場変更できる
PTは腐っても「医療系国家資格」であるため、条件を絞りすぎなければいくらでも転職できます。人員の不足している職場はたくさんあるため、求人を出している病院や施設は多いです。そして、面接はめちゃくちゃイージーで普通にしていればまず落ちることはありません。これって一般企業の場合まずありえないことって知ってました?この記事を読んでいるあなたも就職する際に面接を受けた病院は1つか多くても2.3か所だと思います。一般企業では10何社受けて2~3社から内定がもらえれば良いほうなので、転職に強いことはご理解いただけると思います。
理学療法士の数が増えて「飽和状態」なのは病院に限ったことです。整形外科クリニックや介護保険領域(デイ・訪看)は人員が不足しています。日本理学療法士協会に所属している理学療法士の約56%が病院に勤務していることが報告されていることからも、業界全体では飽和状態ではないことがわかります。
医療・介護業界は常に人手不足なのでほとんどが採用前提の面接です。実際に私は4施設に就職してきましたがその際は即採用でした。前述したように、一般企業ではまずありえません。
介護領域の人不足に関連して、日本の高齢化率は高まっています。高齢者の人数自団塊の世代を過ぎたことでピークは過ぎていますが、少子高齢化が進む本邦において高齢者率(若者に対する高齢者の人数)は増加の一途であるため、今後より一層需要が高まることが予想されます。
出戻り自由
転職がしやすいことに繋がりますが、一般職への転職、出産・育児などの一次離脱からも復帰しやすいのが理学療法士の特権2つ目。
- 働きながら副業するもよし
- 一度転職してから元の職場に戻るもよし
- 起業して上手くいかなかったらPTに戻るもより
これだけつぶしの効く職業はありません。一般職の転職や退職と言ったら一念発起の覚悟が必要ですからね。
転職先選びに困らず、いつでもリスタート可能
また、人間関係や働き方の観点からもPTは出戻りしやすいです。
看護師さんではエンタメ的要素も含みますが、先輩とのかかわり方や残業の苦労話などが良く聞かれます。
一方で理学療法士は比較的人間関係で悩むことは少ないし、相談すればフレキシブルに時間を変えた勤務も可能です。
ここまでを読んで行動したいと思ったあなたはぜひこちらの記事を読んでみてください

まとめ:理学療法士の年収は低いが一般職にはない特権がある
最後に本記事の内容をまとめます。
結論から言うと理学療法士の年収は日本人の平均年収と比較して低いです。
理学療法士がオワコンといわれる理由は以下の3つでした
- 理学療法士が増えすぎて飽和状態になることが予想される
- 給料が安い、昇給額も少ない
- 経験やスキルが待遇に反映されにくい
理学療法士にしかない特権は
- 転職し放題
- 出戻り自由
現状に不満があるならまずは転職をしたり副業を始めたりして環境を変えることから初めて見ましょう。
不安定な社会情勢の中で安定した職を得ている理学療法士は、薄給といえど心の安心感は大きいです。
今から学んで、行動して、時代に適したPTを目指していきましょう。
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