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老健ってどんなところ?理学療法士が老健で働こうと思った時に知っておくべきこと【年収500万以上も可能!?】

こんにちは、ハヤトです

老健って年収(給料)のいい転職先としてオススメされますが、実際はどうなのでしょう?
介護領域だから病院勤務よりもよさそうだけど、どれくらいの年収が狙えるの?
そのような疑問を持っている、若手20代の理学療法士は多いはずです。

今回は老健の概要と、年収(給料)目線で見た疑問を解説していきます!

結論から言うと、20代でも老健で年収400万は硬く、500万円稼ぐことも可能です

老健のお給料の仕組みや実情を知ることで、年収アップを目的とした転職の際に参考にしていただければ幸いです。

このブログでは、お金にこだわる理学療法士が年収アップしたいと思った時に、確実に収入を伸ばす方法を紹介しています。数字にシビアに解説しているので、感情面で思うところはあると思いますが、そこは分けて読んでいきましょう。

目次

理学療法士が働く老健の概要

まずは老健の概要を押さえておきましょう。

「介護老人保健施設」、略して「老健」といいます。

特養や有料老人ホームなどとごっちゃになってしまっている方は、職場の様子を理解しやすくするためにざっくりとした区別をおぼえておきましょう

まず、世間一般にいう老人ホーム、施設、とは有料老人ホームのことを指します。

食事や見守りはあるものの、介護やその他サービスは訪問など外付けになり、基本的には高齢者が集合する賃貸だと思っていただければOK!

次に老健は厚生労働省の定義で、

介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。

厚生労働省

と、ありますが例にもれず御国から出される文章は堅苦しくてわけがわからないので、老健の特徴を簡単に説明すると、

  • 入所しているのは要介護1~5の高齢者
  • 居住スペースの提供と在宅復帰へ向けたサービスの提供
  • 通所リハや訪問リハの事業所を併設していることがある
  • 入居者100人に対して医師・看護師・リハ職などの専門職が1名以上必要(人員配置が決まっている)

居住空間の提供だけではなく、医学的管理も提供されている点が有料老人ホームと大きく異なります。

一方、特養(特別養護老人ホーム)は要介護3~5の方が入居可能、在宅では生活することが困難な高齢者が対象となります。
介護度と在宅復帰を目指すか否かの違いが老健との違いになります。

まとめると、医学的管理下で在宅復帰を目指す方を対象に居住空間の提供とリハビリやその他介護サービスが提供される施設が老健です。

具体的には、回復期病院を退院直後に自宅復帰が困難な方や在宅介護を受けていたが、転倒などのアクシデントにより在宅での生活が一時的に困難になった方が利用されます。

老健では高齢者の自立が重視されており、自立支援に向けたサービスが提供されます。そのサービスを提供した際にリハビリテーションなどには「加算」がつくため、この加算が老健で稼ぐためのキーポイントです。

老健のお給料の仕組み

年収アップを目指して老健に転職する際には、あなたのお給料がどのように支払われるかの仕組みを知ることが大切です。

なぜなら、老健において施設の収益は皆さんの給料に直結するから。

病院や施設のお給料システムに関してはこちらの記事をご参照ください

老健の収益は、毎月固定で発生するものと、毎月変動するものがあります。

毎月固定のものは、

  • 食費
  • 居住費
  • 特別室料(個室料金)

毎月変動のものは、

「介護保険施設サービス費」

先ほど述べた「加算」の部分になります。

この、「介護保険施設サービス費」を積極的に算定している施設は収益が大きく、働いている職員の給料も高い傾向にあります。

また、在宅復帰率が高い施設には、「在宅復帰」「在宅復帰支援加算」が加算されます。在宅復帰率の高い施設=入居者の生活機能を向上させている施設になります。

つまり、稼げている施設ほど入居者に対して在宅復帰へ向けた良いサービス(リハビリ)が提供できているということ。

先述したように稼げている施設に従事する職員の給料は高くなるため、ちゃんとしたサービスを提供できている施設程お給料が高くなります

  1. 在宅復帰へ向けたリハビリ体制が整っている→加算
  2. 利用者に対して良いケア(リハビリ)を実施する
  3. 良いケアが加算の算定要件になる→加算
  4. 良いケアで利用者の機能が向上し、在宅復帰する人が増える
  5. 在宅復帰率が高まることで、「在宅復帰」「在宅復帰支援加算」が算定される→加算
  6. 施設の稼ぎが上がり、職員の給料が上がる

このようなプラスのループがあるため、老健ではリハビリのやりがいを求めつつ、提供するサービスの質を高めるほどもらえる給料もアップする。

意外とイイ職域だと思いません?

老健で年収500万円目指すための転職方法

年収アップ目的で老健への転職をする際には、選択する際の基準を知っておきましょう

老健に転職する際に考慮するべき項目は、

  • 加算はどのようなものをとっているか
  • 通所リハや訪問などの事業所を持っているか
  • ベッドの回転率はどれくらいか
  • 昇給・昇格の条件は明示されているか
  • 専門職でも施設長を目指すことは可能か
  • 施設長の職域
  • 他職種連携による加算の有無

これらの項目を面接や見学時に知っておくことが重要です。なぜなら、これらの項目は老健で加算をとって収益を上げるために関連してくる項目であるため、これらに力を入れている施設は収益性が高く職員への還元も高い傾向にあります。

求人情報を見る際には、

  • 基本給や手当の高さ
  • 賞与、昇給の金額
  • 休みの多さ
  • 募集要件

などを確認してしまいがちですが、老健では基本給が低くされており手当で給料が高めに設定されているものの、その手当にはかなり振れ幅があるため参考にできるケースが少ないです。エージェントを利用する際はまだしも、転職サイトで自ら応募する際にはかなりのリスクが伴います。

  1. 上記の要件を確認するために見学やエージェントを使う
  2. 金銭面の話をする際に加算の面で自らが貢献できることを述べる
  3. 給与の交渉をして納得のいく形態であれば転職を考える

この手順を踏むことが重要です。
そのため、転職サイトだけを見ていてもどうしようもないので、老健への転職に興味にある人はまず話を聞きに行くことから始めてみましょう。

ただ、病院やクリニックと比較してベースの給料が高い為、年収400万円前後であれば医療保険領域よりも狙いやすい職場になります。

老健勤務PTの一日

本メディアは年収アップに特化したメディアであるため、年収の面から老健を解説させていただきました。

ここからは具体例を交えて老健での理学療法士がどのような仕事をしているのかについて述べていきます。

時間業務業務内容
8:30出勤
朝の申し送り
着替え 全体の予定を確認
夜勤職員や他職種からの引継ぎ
8:50リハ科のみでの朝礼リハ職関連での業務確認
9:00個別機能訓練
(個別リハ)①
入居中の利用者および通所のデイケア利用者へ向けての
個別リハビリ(目安1人:20分)
入所判定会議入所希望者に対して訓練可能な心身状態であるかアセスメント
介護士との連携必要に応じて介護士への相談や打ち合わせ
11:30午前中の記録午前は目安5-7件の訓練があるため記録を記入
まだまだ紙媒体が多い
12:00休憩場合によっては食事介助などがはいることも
13:00個別機能訓練
(個別リハ)②
入居者や通所利用者へのリハビリ
曜日によっては他施設や家に訪問リハを行うことも
15:00担当者会議等遅くとも16時前にはリハビリ業務が終わっていることが多く、記録やカンファレンスなどその他雑務を行う
17:00全体ミーティング夜勤者や他職種への申し送り
17:30退勤月末月初は書類関係で残業が発生することが多い

1日のスケジュールはざっくりこんな感じで、医療保険分野のようにがっつりリハビリ業務でパンパン見たいなことは少ないです。実際にリハビリをしている稼働時間は実質5時間程度。

他職種との連携や外部との連絡を取ることに時間を多く取られることも特徴です。

一般的に言われる老健理学療法士のやりがいと苦労

老健で働く理学療法士のやりがいは、

在宅復帰を目標にリハビリを行うため、目標を達成して退所する際にやりがいを感じる
他職種と連携することが多く、身体機能のアセスメントなどで頼りにされることが多い
在宅復帰に向けて病院の退院時指導とは違った視点から環境整備などの介入を行うことができる
病院よりも長い時間、リハビリ対象者と関わることができる

老健で働くうえで大変なことや苦労

入院時ほど長い時間(2単位)をとってリハビリをおこなえるわけではないため、リハビリをやってくれないと言われることがある

病院との違いから様々なギャップが生まれるようです

まとめ

今回は老健で働く理学療法士の概要と、年収500万円が狙える理由に関して説明してきました。

皆さんの中での介護施設に対するハードルや誤認が少しでもなくなると嬉しいです。

ちなみに私は、急性期・回復期とは違ってリハビリの効果が如実に反映されやすい維持期のリハビリが大好きなので、めちゃくちゃ働きやすく楽しかったです。

今回は以上になります

参考:老健の介護サービス加算の一例

以下引用:訪問看護のビジナ

初期加算(30単位/日)

入所日から起算して30日以内に限る

夜勤職員配置加算(24単位/日)

夜勤職員が20対1以上で2人以上の場合

短期集中リハビリテーション実施加算(240単位/日) 

医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、20分以上の個別リハを1週間に3日以上行った場合(入所日から3ヶ月以内)

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(240単位/日)

認知症入所者に対して、医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が3日/週を標準として20分以上 の個別リハを行った場合(入所日から3ヶ月以内)

認知症ケア加算(76単位/日)

認知症専門棟において認知症に対応した

在宅復帰・在宅療養支援機能加算(27単位/日) 

在宅復帰率が30%超であることが要件

退所後30日以内(要介護4・5の場合は14日以内)に居宅を訪問、又は指定居宅介護支援事業者から情報提供を受け、退所者の居宅における生活が1ヶ月以上継続する見込みであることを確認、記録していること。ベッド回転率が5%以上であること。

ターミナルケア加算(160単位/日)

死亡日以前4日以上30日以下

一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断された入所者について、本人又はその家族等の同意を得て、入所者のターミナルケア に係る計画を作成し、医師、看護師、介護職員等が共同して、随時、本人又はその家族への説明を行い、同意を得てターミナルケアを行っていること。死亡日前日及び前々日(820単位/日)、死亡日(1650単位/日)、退所時指導加算(400単位)。      

退所前連携加算(500単位)

入所期間1ヶ月以上の入所者が退所し、居宅サービス又は地域密着型サービスを利用する場合、退所に先立って入所者が利用を希望する居宅介護支援事業者に対して、入所者の 診療状況など必要な情報を提供し、かつ、居宅介護支援事業者と連携してサービス利用に関する調整を行った場合(1回を限度)

栄養マネジメント加算(14単位/日)         

・常勤の管理栄養士を1名以上配置

・入所時に栄養状態を把握し、医師、管理栄養士その他の職種が共同して栄養ケア計画を作成

・個別の栄養ケア計画に従い栄養管理を行い、入所者の栄養状態を定期的に記録

・個別の栄養ケア計画の進捗の定期的な評価、必要に応じて見直しを実施

低栄養リスク改善加算 (300単位/月)

低栄養状態の入所者に対して、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、入所者ごとに計画を作成し、医師又は歯科医師の指示を受けた管理栄養士又は栄養士が、栄養管理を行った場合(計画が作成された月から6ヶ月以内)

経口移行加算 (28単位/日)

医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士、その他の職種が共同して、食事を経管摂取している入所者の、経口摂取を進める経口移行計画を作成し、医師の指示を受けた管理栄養士又は栄養士が栄養管理を、言語聴覚士又は看護職員が支援を行った場合(計画作成日から180日以内)

経口維持加算(Ⅰ)(400単位/月)

医師又は歯科医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士その他の職種が共同し、

摂食機能障害・誤嚥がある入所者の経口維持計画を作成し、医師又は歯科医師の指示を受けた管理栄養士又は栄養士が、特別な管理を行った場合(計画作成日から180日以内、1ヶ月につき)

経口維持加算(Ⅱ)(100単位/月)

(Ⅰ)を算定し、入所者の経口による継続的な食事の摂取を支援するための食事の観察及び会議等に、医師、歯科医師、歯科衛生士又は言語聴覚士が加わった場合 (計画作成日から180日以内、1ヶ月につき)

口腔衛生管理体制加算(30単位/月)

・歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、

介護職員に対し口腔ケアの技術的助言及び指導を月1回以上実施

・入所者の口腔ケア・マネジメントに係る計画を作成

療養食加算(18単位/日)

・疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づき療養食を提供した場合

・管理栄養士又は栄養士によって管理

・年齢・心身状況等によって適切な栄養量・内容の食事を提供

在宅復帰支援機能加算(5単位/日)

・在宅復帰率が30%超であること

・退所後30日以内に居宅を訪問、又は指定居宅介護支援事業者から情報提供を受け、

退所者の居宅での生活が1ヶ月以上継続する見込みであることを確認、記録している

・入所者の家族との連絡調整を実施

・入所者が利用を希望する指定居宅介護支援事業者に、必要な情報提供、退所後の居宅サービス利用に関する調整を実施

認知症情報提供加算(350単位)

認知症のおそれがあり施設内での診断が困難である入所者について、診療状況等の情報を添えて、認知症疾患医療センター等に紹介を行った場合 (入所中1回を限度)

地域連携診療計画情報提供加算(300単位)

大腿骨頸部骨折又は脳卒中で退院した入所者に対し、地域連携診療計画に基づいた治療等を行い、病院に診療情報を提供した場合(1回を限度)

褥瘡マネジメント加算(10単位) 

継続的に入所者ごとの褥瘡管理をした場合(3ヶ月に1回を限度)

排泄支援加算(100単位/月)      

排せつに介護を要し、適切な対応を行うことで要介護状態の軽減が見込まれる入所者に対し、医師、看護師、介護支援専門員その他の職種が共同して支援計画を作成、継続実施した場合(支援開始月より6ヶ月以内)

サービス提供体制強化加算(Ⅰ) (18単位/日)

介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が60%以上

(Ⅰ) 12単位/日               

介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が50%以上

(Ⅱ)6単位/日 

看護・介護職員の総数のうち、常勤職員の占める割合が75%以上

(Ⅲ)6単位/日

短期入所療養介護又は老健の利用者等を直接処遇する職員の総数のうち、

勤続年数3年以上の者の占める割合が30%以上

 

加算の一覧を見ていると、リハビリ専門職でとれるものもありますが、看護師と他専門職がかかわってとれる加算が多いですよね?つまり、転職の際は、専門職の配置割合をみるとその施設の稼ぎが大まかにわかるかもしれません。面談時の一判断材料としてみてください。

皆さんの年収が今よりも上がることを祈っています。

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この記事を書いた人

臨床4年目理学療法士。大学院進学のため非常勤で職場探し。週7勤務で4つの職場を経験。豊富な転職経験をもとに若手PTの転職を支援する情報を発信していきます。
現在の働き方に不満がある、理学療法士になったことを後悔しないために一緒に行動していきましょう。

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